働きかた PR

退職の事を周りに言うな!失敗例から学ぶ正しい報告順序と伝え方のコツ

「会社を辞めることにした」——そんな決断をしたとき、つい信頼できる同僚や先輩に話したくなるものです。

しかし、それダメです。
退職の報告には「誰に・いつ・どう伝えるか」という明確なルールがあり、これを守らないと思わぬトラブルやピンチを招く場合があるのでお気をつけ下さい。

この記事では、なぜ退職を周りに言ってはいけないのか、その理由を実例を交えて詳しく解説していきます。円満退職を実現するための正しい報告順序や伝え方も具体的にお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

退職を周りに言うなと言われる理由

退職という人生の大きな決断を、なぜ周囲に話してはいけないのでしょうか。その背景には、社会人としてのマナーと、職場環境を守るための配慮があります。

上司の信頼を失う可能性

退職の意思を同僚や先輩に先に話してしまうと、上司からの信頼を大きく損なう恐れがあります。

直属の上司は、あなたの業務管理や人事評価を担当する責任者です。退職という重要な情報を最後に知ることになれば、「報告・連絡・相談ができない人」「部下としての信頼関係が築けていない」と判断されてしまいます。

たとえば、同僚から「◯◯さんが辞めるらしいよ」と噂が広まり、上司がそれを耳にしたらどう感じるでしょうか。部下から直接聞いていない情報を知ることになり、上司としての面子も立たなくなってしまうわけです。

退職後も業界内で顔を合わせる可能性がある以上、最後まで良好な関係を保つことが重要です。

情報が意図せず拡散するリスク

「誰にも言わないでね」と口止めしても、人の口に戸は立てられません。

あなたが信頼して話した同僚が、さらに別の誰かに「ここだけの話なんだけど…」と話してしまう。こうして情報はあっという間に職場中に広がります。最悪の場合、取引先や顧客の耳にまで届いてしまうこともあるんです。

SNSやビジネスチャットが普及した現代では、情報拡散のスピードはさらに速くなっています。社内チャットでの何気ない一言や、SNSへの投稿から退職の情報が漏れるケースも増えているといいます。

退職は個人の問題ではなく、会社の人事に関わる機密情報です。会社が適切なタイミングで発表するまで、情報管理を徹底する必要があります。

職場の雰囲気が悪化する

退職を早い段階で周囲に知らせてしまうと、職場の空気が一変することがあります。

これまで普通に接していた同僚が、急によそよそしくなったり、逆に探るような質問をしてきたり。「どうせすぐ辞める人」という目で見られるようになると、業務上のコミュニケーションにも支障が出ます。

また、あなたの退職をきっかけに、他の社員のモチベーションが下がる可能性も考えられます。「自分も辞めようかな」という連鎖反応を生むこともあり、組織全体に悪影響を及ぼしかねません。

最後まで気持ちよく働くためにも、退職の報告は慎重に行う必要があるでしょう。

実際にあった失敗事例

理論だけでなく、実際の失敗例を知ることで、「なぜ言ってはいけないのか」がより深く理解できます。

同僚に先に話して上司に知られたケース

仲の良い同期に退職を相談しました。しかし、その同期が別の先輩に話し、さらにその先輩から上司の耳に入ってしまった…よくある話です。

上司から呼び出されたAさんは、「なぜ直接報告しなかったのか…順序が違うだろ」と嫌味たらたらで言われました。

その後の退職交渉も険悪な雰囲気で進み、有給休暇の消化も難癖をつけられ嫌な思いをしながら結果認められたそうです。

「ちょっと相談するつもりだった」という軽い気持ちが、こんな事態を招いてしまうわけですから口は災いの元ですね。

SNSでの投稿から漏れたケース

転職が決まった嬉しさから、SNSに「新しい環境で頑張ります!」と投稿してしまいました。

この投稿を見た取引先の担当者が、Bさんの上司に「退職されるんですね」と声をかけたことで事態が発覚。まだ社内では一切報告していなかったBさんは、説明に困り果てました。

SNSは公開範囲の設定が複雑で、思わぬところから情報が漏れることがあります。退職が正式に決まるまでは、それに関する一切の投稿を控えるべきでしょう。

まさに「壁に耳あり」です。

引き止めやヤメハラに遭ったケース

退職の意思を2ヶ月前に複数の同僚に話していました。そこから上司に情報が伝わり、長期間にわたって引き止めに遭うことになりました。

「後任が見つかるまで待ってくれ」「今辞められたら困る」と繰り返され、結局希望する退職日から3ヶ月も延びてしまったといいます。

さらに、退職を決めたことで冷たい態度を取られるなど、ヤメハラとも言える扱いを受けました。(3ヶ月は辛いですよね)

早い段階で情報が広まることで、こうした不利な状況に追い込まれるリスクがあるんです。

退職を伝える正しい順序

では、退職の意思はどのような順序で伝えるべきなのでしょうか。基本的なルールを押さえておきましょう。

最初に伝えるべきは直属の上司

退職を報告する第一歩は、必ず直属の上司に対して行います。これは社会人としての基本中の基本です。

上司にアポイントを取り、会議室など第三者に聞かれない場所で、口頭で伝えるのが正しい方法です。「一身上のことでご相談があります」と切り出し、退職の意思と希望時期を明確に伝えましょう。

このとき大切なのは、相談ではなく「報告」のスタンスで臨むことです。「辞めようか迷っているのですが…」という曖昧な伝え方では、引き止めの材料を与えてしまいます。

退職理由は、会社への不満ではなく、前向きな理由を用意しておくとスムーズです。

人事部門への報告タイミング

直属の上司に報告した後は、上司の指示に従って人事部門への報告を行います。

多くの場合、上司から人事部門に連絡が行き、その後本人が正式な書類(退職届)を提出する流れになります。このプロセスを飛ばして人事部門に直接行くのは、上司を軽視する行為になるため避けましょう。

人事部門では、退職日の調整、有給休暇の消化、社会保険の手続きなど、具体的な事務処理について説明を受けます。

同僚に伝えてよいタイミング

同僚や取引先への報告は、会社が正式に発表するタイミングまで待つのが原則です。

一般的には、退職の2週間〜1ヶ月前に、上司または会社から職場全体に発表されます。このタイミングで初めて、同僚に直接挨拶をすることができるわけです。

「もっと早く教えてくれればよかったのに」と言われることもあるかもしれませんが、これは組織のルールとして正しい対応だと説明すれば理解してもらえるはずです。

取引先への挨拶も、必ず上司の指示を仰いでから行いましょう。

退職を伝える最適なタイミング

退職の報告は、タイミングも非常に重要です。早すぎても遅すぎても問題が生じる可能性があります。

1〜2ヶ月前が基本

一般的に、退職の意思表示は希望日の1〜2ヶ月前が適切とされています。

法律上は2週間前の通知で退職できますが、業務の引き継ぎや後任者の選定を考慮すると、1〜2ヶ月の余裕が必要です。就業規則に「◯ヶ月前までに申し出ること」と記載されている場合は、それに従いましょう。

転職先が決まっている場合は、入社日から逆算して退職日を設定し、その1〜2ヶ月前に報告するのが理想的です。

業界・職種による違い

業界や職種によって、適切な報告時期は異なります。

例えば、専門的なスキルが必要な職種や、後任の採用・育成に時間がかかるポジションでは、3ヶ月以上前の報告が望ましい場合もあります。

小規模な企業では、一人の退職が業務に大きな影響を与えるため、より早めの報告が求められることがあるでしょう。

一方、大企業で人員の流動性が高い部署では、1ヶ月前の報告でも十分対応できるケースもあります。

自分の置かれた状況を考慮して、適切な時期を判断することが大切です。

繁忙期を避ける配慮

可能であれば、繁忙期を避けて退職時期を設定しましょう。

年度末や決算期、大型プロジェクトの佳境など、会社や部署が最も忙しい時期に退職すると、周囲に大きな負担をかけることになります。

もちろん、やむを得ない事情で繁忙期の退職になることもあります。その場合は、できる限りの引き継ぎを行い、最後まで責任を持って業務を遂行する姿勢を示すことが重要です。

円満退職を実現するには、会社側の事情にも配慮した計画が求められます。

信頼できる同僚への対応方法

「親しい同僚にも一切話してはいけないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。ここでは、信頼関係のある同僚への対応について考えてみます。

相談と報告の違い

まず理解しておくべきは、「相談」と「報告」の違いです。

退職を迷っている段階での相談なら、信頼できる同僚に話を聞いてもらうのも一つの方法かもしれません。ただし、その場合も「この話は絶対に口外しないで」と念を押し、上司に報告する前段階であることを明確にしておく必要があります。

一方、退職が確定してからの「報告」は、上司への報告と会社の正式発表が済むまで待つべきです。

どんなに仲が良くても、公式な手続きが完了する前に報告してしまうのはリスクが高いと考えましょう。

口外しないでほしいと伝える意味

「誰にも言わないで」とお願いしても、100%守られる保証はありません。

人は秘密を抱えることが苦手な生き物です。悪気はなくても、つい別の誰かに話してしまうことがあります。特に職場という閉じたコミュニティでは、情報の伝播速度は想像以上に速いものです。

本当に信頼できる相手だと確信できる場合でも、「もし漏れたら自分の立場が悪くなる」というリスクを常に意識しておくべきでしょう。

SNS時代の注意点

現代では、SNSやメッセージアプリを通じた情報漏洩にも注意が必要です。

社内の業務連絡用チャットで退職の話題に触れたり、プライベートのSNSに退職を匂わせる投稿をしたりするのは厳禁です。

また、転職活動中の情報もSNSには投稿しないようにしましょう。「面接行ってきた」「内定もらった」といった投稿から、退職の意思が会社に知られる可能性があります。

デジタルな情報は一度拡散すると取り返しがつきません。退職が正式に決まり、会社の発表が済むまでは、あらゆるプラットフォームで沈黙を守ることをおすすめします。

どうしても言いづらい場合の対処法

「上司に直接言うのが怖い」「引き止めにあって辞められなくなりそう」——そんな不安を抱える方のために、いくつかの対処法をご紹介します。

退職代行サービスの活用

近年注目されているのが退職代行サービスです。

退職代行サービスとは、あなたに代わって会社に退職の意思を伝え、必要な手続きを代行してくれるサービスです。弁護士や労働組合が運営するものであれば、法的にも安心して利用できます。

「そこまでしなくても…」と思うかもしれませんが、パワハラ上司が怖くて言い出せない、過去に退職を拒否された経験があるなど、心理的なハードルが高い場合には有効な選択肢となります。

費用は2万〜5万円程度かかりますが、精神的な負担を軽減し、確実に退職できるという安心感が得られるでしょう。

メールや書面での伝達

直接対面で話すのが難しい場合、例えばメールや書面で退職の意思を伝える方法もあります。

ただし、これは本来推奨される方法ではありません。できれば最初は口頭で伝え、その後正式な退職届を書面で提出するのが理想的な流れです。

やむを得ずメールで伝える場合は、丁寧な言葉遣いを心がけ、感謝の気持ちと退職の意思を明確に記載しましょう。その後、必ずフォローアップの面談を申し出ることが大切です。

人事部門への直接相談

直属の上司に相談しづらい特別な事情がある場合(パワハラを受けているなど)は、人事部門に直接相談する方法もあります。

人事部門は、従業員の退職手続きを専門に扱う部署です。上司との関係に問題がある場合は、まず人事に状況を説明し、適切な対応を相談することができます。

ただし、これはあくまで例外的な対応です。通常は上司への報告が第一であることを忘れないようにしましょう。

円満退職のための心構え

最後に、円満退職を実現するための基本的な心構えをお伝えします。

ポジティブな理由を準備する

退職理由を聞かれたとき、会社への不満をそのまま伝えるのは避けましょう。

「給料が安い」「人間関係が悪い」といったネガティブな理由は、上司や同僚との関係を悪化させるだけです。条件改善を提案され、引き止めの材料にされる可能性もマジであります。

代わりに、「新しい分野に挑戦したい」「スキルアップのため」「キャリアプランを見直した結果」など、前向きな理由を用意しておきましょう。

嘘をつく必要はありませんが、表現を工夫することで、最後まで良好な関係を維持できます。方便ということですね。

感謝の気持ちを忘れない

どんな理由で退職するにせよ、今の職場で得た経験や学びには価値があります。

退職を伝える際も、退職日まで働く期間も、そして最後の挨拶でも、感謝の気持ちを表現することを忘れないでください。「立つ鳥跡を濁さず」の教えですね。

「お世話になりました」という一言が、退職後の関係性を左右することもあります。業界は意外と狭いものですから、どこかでまた一緒に仕事をする可能性もゼロではありません。と云うかあります。

最後まで誠実に仕事を全うする

退職が決まったからといって、仕事への姿勢を変えてはいけません。

引き継ぎ資料の作成、後任者への丁寧な説明、残務処理の完了——これらすべてを誠実にこなすことが、プロフェッショナルとしての責任です。

「最後まできちんと仕事をしてくれた」という印象を残せれば、退職後も良い関係を築けるでしょう。

立つ鳥跡を濁さず。この言葉の意味を噛みしめながら、最後の日まで全力で取り組む姿勢が大切です。

まとめ

退職を周りに言ってはいけない理由、そして正しい報告の仕方について詳しく解説してきました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 退職の報告は、必ず直属の上司に最初に伝える
  • 同僚への報告は、会社の正式発表後に行う
  • 報告のタイミングは、希望日の1〜2ヶ月前が基本
  • SNSやチャットでの情報漏洩に細心の注意を払う
  • 退職理由は前向きな表現で伝える
  • 最後まで誠実に業務を遂行する

退職は人生の大きな転機です。だからこそ、正しい手順を踏んで、気持ちよく次のステップに進みたいものですよね。

この記事が、あなたの円満退職の実現に少しでも役立てば幸いです。新しい環境での活躍を心から応援しています。